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SESエンジニアのフルリモートは可能か?現実と対策
ワークスタイル2026年3月22日· 12分で読める

SESエンジニアのフルリモートは可能か?現実と対策

SESリモートワーク在宅勤務客先常駐働き方

この記事の要点

SESエンジニアが在宅・フルリモートで働けるかどうかを、業界データと実例から解説。客先常駐が基本のSESでリモート案件を獲得するための具体的な方法を紹介。

図解

SESエンジニアのリモートワーク問題——本音はどうなのか

セクション画像

「SESは客先常駐だからリモートは無理」——そう思っているエンジニアは多い。

確かにSESの基本形態は客先常駐だ。しかしコロナ禍を経て、IT業界全体のリモート対応が進み、状況は変化している。「SESだからリモートは一切できない」という時代ではなくなっている。

ただし「SESでもフルリモートが当たり前」は過剰な期待だ。現実はその中間にある。SESエンジニアのリモートワーク事情を、正確なデータと具体的な方法論で整理する。

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SESのリモートワーク実態——数字で見る現状

SES案件のリモート対応割合

IT系の転職支援企業各社の公開データによると、2024年時点でのSES案件のリモート対応状況はおおよそ以下の通りだ。

リモート形態割合(推計)
フルリモート(週5日)10〜15%
ハイブリッド(週2〜3日在宅)15〜25%
一部リモート(月数回)15〜20%
完全出社のみ40〜55%

フルリモートは全体の1〜2割程度と見ておくのが現実的だ。ただしこの割合は技術領域・スキルレベル・案件の性質によって大きく変わる。

リモート対応率が高い案件の特徴

リモートで対応しやすい業務とそうでない業務には、構造的な違いがある。

リモート対応率が高い業務:

  • クラウドインフラの設計・構築(AWS・GCP・Azure)
  • バックエンドAPIの開発・保守
  • データエンジニアリング・分析基盤構築
  • 機械学習モデルの開発・実装
  • SREやDevOps関連

リモート対応が難しい業務:

  • 金融・官公庁系のセキュリティポリシーが厳格な案件
  • ネットワーク機器の物理作業を伴う案件
  • ユーザー部門との対面での要件定義が必要な上流工程
  • 新規参画直後(顔合わせ・引き継ぎ期間)

リモート案件を獲得するためのスキル戦略

リモート親和性の高い技術を習得する

上記の通り、クラウド・バックエンド・データ系の技術はリモート対応率が高い。これらの技術を持つエンジニアはリモート案件の選択肢が広がる。

AWSの場合、AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト)を取得することで、クラウド案件への参画資格を示せる。求人市場での需要も高く、保有者の単価は非保有者と比較して月5〜15万円程度高い傾向がある。

Pythonのバックエンド開発スキルも有効だ。FastAPI・DjangoでのAPI開発経験があると、リモートで完結する開発案件に入りやすくなる。

経験年数と単価がリモート取得の鍵

SES業界では一般的に、経験が浅いうちは常駐案件が多く、実績を積んだ上級エンジニアほどリモート案件を選べるようになる傾向がある。

これはリモートワークでは「自律的に動ける」ことが求められるためだ。経験が浅い段階では、物理的に近くでサポートを受けながら学ぶ環境の方が成長できるという判断もある。

目安として:

  • 経験1〜2年:フルリモート案件の選択肢はかなり限られる
  • 経験3〜5年:選べる案件の幅が広がり始める
  • 経験5年以上:フルリモート案件を指名で取れるケースも出てくる

SES会社選びとリモートワーク

SES会社のリモート方針を見極めるポイント

SES企業は様々で、「リモート案件が多い」会社と「ほぼ常駐のみ」の会社がある。選ぶ段階でリモート実績を確認することが重要だ。

確認すべき事項:

  • 現在リモートで稼働しているエンジニアの割合
  • 過去1年でフルリモート案件があったかどうか
  • リモート案件の優先打診をしてもらえるか
  • 在宅時の通信費・機器代の支援制度

求人票の「リモート可」の記載は「この案件はリモートです」ではなく「リモート案件も紹介できる場合があります」という意味であることが多い。口頭での確認が必須だ。

客先常駐でも交渉できる場合

既にSES企業に在籍しており、現在の客先で常駐しているエンジニアが在宅勤務を交渉するケースもある。

成功しやすいのは:

  • 客先でのパフォーマンスが高く信頼関係がある
  • 業務がPCのみで完結し、物理的な出社の必要性がない
  • 客先がITベンダー系でリモートに対する理解が高い

逆に交渉が難しいのは:

  • 金融・行政系で情報漏洩リスクへの対応が厳格な場合
  • 参画して日が浅く、信頼関係が構築されていない場合

リモート優先なら「自社開発」への転職を検討する

SES vs 自社開発のリモーク対応比較

フルリモートへの強いこだわりがある場合、SESという雇用形態の制約を受け続けるより、自社開発企業への転職を選ぶ方が根本的な解決策になる。

比較項目SES自社開発
リモート対応率20〜35%50〜70%
リモートの安定性案件ごとに変わる会社のポリシーで統一
将来の予測可能性低い(案件による)高い
年収レンジ300〜600万円(中央値)400〜800万円(中央値)

自社開発企業の方がリモートの「安定性」が高い。SESはリモート案件に入れても次の案件では常駐に戻る可能性がある。

SESと自社開発の違いについては、SES vs 自社開発:エンジニアのキャリア・年収・環境を徹底比較で詳しく解説している。

SES vs 自社開発:徹底比較

キャリア・年収・リモート環境の違いをデータで解説

SESのリモートワーク活用術:在宅時の生産性

リモートで結果を出すための環境整備

SESでリモート案件を獲得した後、重要になるのが在宅での生産性の維持だ。客先に常駐している場合と異なり、自己管理能力が問われる。

最低限の環境:

  • デュアルモニター(会議しながら作業するために必須)
  • 有線LANまたは安定したWi-Fi(セキュリティ上、有線が求められる客先もある)
  • ノイズキャンセリングヘッドフォン
  • Web会議用の照明(顔が見えないと印象が悪くなる)

コミュニケーションの工夫:

  • 質問・報告をSlackに流す前に自分で5分調べてから聞く
  • 進捗をこまめに共有する(存在感を示す)
  • レスポンスの速さを一つの成果指標にする

リモートワークでの生産性維持については、リモートワーク生産性を上げる環境・習慣・ツールで詳しく解説している。

リモートワーク生産性向上ガイド

在宅勤務で成果を出すための環境・習慣・ツールの設計

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まとめ:SESのリモートは可能だが条件がある

SESエンジニアのフルリモートは「不可能ではない」が「当たり前でもない」というのが現実だ。

重要なポイントをまとめると:

  • SES全体のフルリモート案件は10〜15%程度 — 選べる立場になるにはスキルと実績が必要
  • リモート親和性の高い技術領域がある — クラウド・バックエンド・データ系はリモート率が高い
  • 経験5年以上でリモート案件を選べる立場になれる — 最初から完全リモートは難しい
  • フルリモートを最優先にするなら自社開発転職が近道 — SESではリモートの安定性が保証されない

SES環境でのキャリアについてより詳しく知りたい場合は、SES転職のタイミングと年収アップ戦略も参考にしてほしい。

よくある質問

QSESでフルリモートの案件はありますか?+
A

あります。ただし全体の中では少数派です。エンジニア転職サービスの調査によると、SES案件でリモート対応可能なものは2024年時点で全体の20〜35%程度と推計されています。スキルや経験年数によって獲得しやすさが変わります。

Q客先常駐の会社に入っても在宅勤務はできますか?+
A

できる場合があります。客先のリモートポリシーによりますが、プロジェクトによってはフルリモート・ハイブリッドの案件があります。SES企業に入社する際に「リモート案件を希望している」と明示しておくことが重要です。

QSESでリモート案件を獲得しやすい技術スタックはありますか?+
A

AWS・GCP等のクラウド設計・構築、バックエンドAPIの開発(Python・Go・Node.js)、データエンジニアリング、機械学習エンジニアリングなどは、リモート案件の比率が高い傾向があります。

QSESでリモートワークできる会社の選び方は?+
A

求人票に「リモート可」「フルリモート可」と明記されているか確認しましょう。また面接時に「過去にリモート案件を担当したエンジニアの割合」を聞くことで、実態を把握できます。

QSESでリモートができないなら転職した方が良いですか?+
A

リモートワークの優先度が高い場合は、自社開発企業への転職を検討する価値があります。自社開発企業はリモートワーク対応率が高く、勤務形態の予測可能性もSESより高い傾向があります。

テックキャリア解析所 編集部

元SESエンジニア|IT業界10年

SES・SIerでの実務経験をもとに、ITエンジニアのキャリア設計・転職・スキルアップに関する情報を発信しています。